3つの懸念ポイントと国家として仮想通貨を開発したドバイ

2018年1月23日

もともと決済通貨として想定され開発されている仮想通貨ですが、現在では投資の対象として仮想通貨を扱う傾向もあります。
特に2017年に入ってから仮想通貨の価値は軒並み上がってきており、投機的な理由から仮想通貨を保有する人も増えています。

そこで、今回は仮想通貨を保有することの懸念ポイントを3つあげ、仮想通貨に投資することで儲かるのか、仮想通貨に投資することは安全なのかという視点からそれぞれの懸念ポイントを解説します。

仮想通貨ではキャピタルゲインはあっても基本的にはインカムゲインはない

まず仮想通貨を保有するにあたって懸念材料となるのが、インカムゲインです。
株などであれば配当といった形で保有し続けるだけで利益を得ることができます。しかし、仮想通貨にはこのようなインカムゲインはありません。どういうことなのでしょうか。

仮想通貨取引におけるキャピタルゲインはその他の投資商品よりも大きくなりやすい

仮想通貨はFXや株、不動産と同じように、安く買って高く売ることにより売買差益を利益にすることができます。
売買差益による利益をキャピタルゲインといい、デイトレードなど短期の取引では重視される項目です。仮想通貨は価格変動が非常に大きいためキャピタルゲインも大きくなりがちです。
中には100倍という価格上昇もありえますから、仮想通貨取引はキャピタルゲインによる利益を上げやすいと言えるでしょう。

仮想通貨を保有することによるインカムゲインは基本的にはあり得ない

仮想通貨取引はFXのように為替両替による取引です。
スワップポイントは国ごとの金利差による利益ですが、仮想通貨にはそもそも金利を決定する中央機関が存在していません。ですから仮想通貨においてはインカムゲインを得ることができないのです。

インカムゲインとは
保有しているだけで得られる利益のことです。株であれば配当、不動産ならば賃貸料、FXではスワップポイントなどがインカムゲインにあたります。ちなみにインカムゲインは和製英語です。

また、日本円の場合、銀行に預けておけば少額ながらも利子が付きます。
ところが仮想通貨はどれだけ保有していても利子を得ることはできません。原則的には仮想通貨を保有しているだけでは利益を上げられず、売買差益によってしか利益を上げられないということです。

最近では仮想通貨の保有によるインカムゲインも得られるサービスが始まっている

最近ではアセットタイプと呼ばれる仮想通貨も登場してきました。
これは株式のように、保有することで利益が配分されるタイプの仮想通貨です。まだまだ数は少ないですが、これはという仮想通貨があれば買ってみるのもいいかもしれません。

また仮想通貨取引所のサービスとして、貸仮想通貨というものがあります。
これは保有する仮想通貨を取引業者に貸し付けることで利息をもらうというシステムです。このようにまだ数は少ないですが、仮想通貨の保有によるインカムゲインを得る方法が全くないというわけではありません。

株の様な業績、事業計画がないため、今後の値動きを予想しにくい

仮想通貨は特殊な場合を除き中央管理者が存在せず、ネットワーク参加者によって相互に承認し、情報を記録、保存しています。
仮想通貨のシステムを運営する主体が存在しないため、仮想通貨についての業績や事業計画がはっきり示されることはありません。

仮想通貨によってはホワイトペーパーによって仮想通貨の仕様やアップデートの予定などが公開されていますが、現在のところアップデートの予定ぐらいしか、新しい材料はありません。

一方で、株や不動産の場合、どの程度の利益が上がりそうか、という検証をすることが可能です。
株式は企業が発行するものですから、企業の業績や実力、事業計画などから適正株価や将来への期待を織り込んで株価の予測をすることが可能です。不動産は立地条件などから賃料を設定し、部屋の稼働率などから利益の予想が可能です。

仮想通貨の取引では先の値動きを予想するための材料が極めて少ないことから、売買差益を得ることが難しいという懸念があります。
今後も仮想通貨全体は注目されていけば価格が上昇するだろうということは漠然と予想されますが、どの程度の価値が適正価格なのかということが分からないため、買い時、売り時の見極めが難しいのです。

仮想通貨の安全性を脅かす可能性のある51%攻撃とは?実現の可能性は?

仮想通貨について調べていくと51%攻撃という言葉を目にすることがあります。
51%攻撃とはどのようなものなのでしょうか?51%攻撃にさらされるとどのようなリスクがあるのでしょうか。

マイニングを行う半数以上(51%以上)が不正行為を行い、システムを攻撃すること

仮想通貨の多くはマイニングと呼ばれる承認作業によって新規に発行されています。
マイニングとは取引の承認を行うことです。

この承認作業に取り組んでいる人のうち半数以上が結託したらどうなるでしょうか。
事実上マイニングネットワークをコントロールすることになり、不正にブロックを作りだすことが可能になります。意図的に承認作業を遅らせたり、承認を取り消したりすることが可能になります。

実際に51%攻撃を仕掛けた時にできることは承認の停止、承認の取り消し、マイニング報酬の独り占めです。
逆に51%攻撃を仕掛けたとしてもできないことは過去のデータの改ざん、新しく仮想通貨を作り出すこと、他の人の仮想通貨を奪うことです。
簡単にいうと51%攻撃を仕掛けたとしても得られるものは少ない、ということです。

51%攻撃によって現実的にはどのようなリスクがあるか

51%を仕掛けることによって仕掛ける側にはあまりメリットはありません。せいぜい、取引を少しの間停止させるぐらいです。
利用者からすれば送金が取り消されてしまったり、2重払いの多発、システムの停止が頻繁に起こるようになればその仮想通貨に対する信用は落ちてしまうでしょう。

信用を失えば仮想通貨の価値の暴落にもつながってしまいます。
その意味では51%攻撃は非常に危険なものです。しかし、仮想通貨の価値の暴落につながる51%攻撃を仕掛けるメリットが少なすぎることから、現実には起こりにくいだろうと考えられています。

ドバイではまだビットコイン決済ができないけれど法定仮想通貨の発行する予定

中東のドバイからビットコインに関する大きなニュースと法定仮想通貨に関する大きなニュースが届いています。
国家として仮想通貨を発行する予定のドバイでの仮想通貨の普及はどの程度進んでいるのでしょうか。

ドバイは仮想通貨の技術を積極的に取り入れているがビットコイン決済がまだできない

中東の別荘地として多くのセレブが訪れているドバイでは不動産ブームが続いています。
また、ドバイでは以前からブロックチェーン技術による国家レベルのプロジェクトに取り組んでいました。その結果2つの大きな流れが生まれました。その1つが、ドバイの高級不動産のビットコインでの支払い対応です。

仮想通貨に使われているブロックチェーン技術には注目していたドバイですが、ドバイ国内ではまだビットコイン決済が対応していません。

そこで、今回イギリス資産運用会社とアメリカのブロックチェーン関連会社が業務提携し、2019年11月までに1113の不動産物件についてビットコイン決済に対応することを決めました。

ビットコイン決済がまだ導入されていないドバイで、逆に世界初となる不動産のビットコインによる購入が実現するのです。
このようにドバイは国をあげて新しい技術を取り入れ、新しい国のかたちを模索しています。

ドバイではついに国が管理する仮想通貨「emCash」を発行する

仮想通貨には様々な懸念材料があるものの、これからの取引のあり方やビジネスの世界、私たちの生活を大きく買える可能性があります。
その可能性を見極める一つの大きな流れがドバイ政府による独自仮想通貨の発行です。

ドバイ政府はemCashという仮想通貨を発行し、銀行のような第三者を介することなく取引を完了させる低コストで、利用価値の高い取引を実現しようとしています。

政府が正式に発行する法定仮想通貨となればドバイでビジネスをする大きなアドバンテージになります。
もちろんemCashはスマートコントラクトに対応していますから、取引の簡素化はもちろん、仮想通貨の魅力である高速処理、取引時間の短縮も期待されます。

さらにemCashは実際の需要に応じてリアルタイムで発行されるため、詐欺やインフレの恐れがほとんどないとのことです。
 

仮想通貨のようなブロックチェーン技術により、私たちの生活は大きく変わっていく

仮想通貨はまだまだこれからの通貨であり、利用できる場面も限られていきます。
2017年に入り、注目を集め始めてはいますが、知名度は全体とすればまだまだ低いといえるでしょう。

普及がまだまだこれからということで、懸念されるポイントもいくつかあります。
インカムゲインがないので、保有し続けるインセンティブが働かない、値動きの予測がしにくい、安全性・信用の問題などです。これらの懸念ポイントがあることを承知の上でドバイ政府は独自の仮想通貨を発行することを発表しました。

ドバイのようにブロックチェーン技術を取り入れ、仮想通貨を経済の主軸にしていくことで、現在の仮想通貨にある懸念ポイントもなくなっていくでしょう。

著者情報
オールマイティなトレーダーを目指して日々奮闘中 投資で5000万円貯める事が目標。 基本ビビりなので日々可愛い利益をコツコツ貯めています。

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