• ビットコイン分裂問題で8/1に国内14か所の取引所で取引停止。再開予定日など各社の対応状況まとめ

取引停止によるビットコイン相場への影響は?詳細情報や今後のシナリオを考える

2017年7月20日

日本仮想通貨事業者協会(JCBA)は、2017年8月1日から国内14か所の取引所において一時的にビットコインの取引(引き出し・受け入れを含む)を停止すると発表しました。

ビットコインに投資している方の中には、不安や焦りを感じている方も多いのではないでしょうか?
このようなときは、関連する情報をしっかり集めることが大切です。取引停止の詳細、ビットコイン分裂騒動、考えられる対策などについて考察していきましょう。

取引のみじゃない!各取引所でビットコインの受け入れや引き出しも停止

ビットコインは、その歴史上もっとも大きな事件に直面しようとしています。
ビットコインという1つの通貨が、2つ以上のコインに分裂しようとしているのです。分裂の可能性は100%ではありませんが、非常に高くなりつつあり、現実の出来事になろうとしています。

それに伴い、国内14か所の取引所は8月1日より取引(引き出し・受け入れを含む)を停止するとの声明を発表しました。
なぜビットコインは分裂しようとしているのか、そもそもビットコインの分裂とはどのような意味なのか、取引停止はいつまで続くのか、などについての詳細を解説します。

ビットコインが2つ以上に分裂する可能性が高くなっている

上述の通り、ビットコインの分裂は100%確定してはいませんが、「ほとんど確実」といっても差し支えないところまで迫っています。
そもそもビットコインという1つの仮想通貨が2つ以上に分裂することは、どのような意味なのでしょうか?

詳細は後述しますが、ビットコインは「ブロックチェーン」と呼ばれるデータが繋がったチェーンのようなものに取引などが記録され続けています。
まさにこの現在もブロックチェーンに記録され続け、その長さを伸ばし続けているのです。ブロックチェーンは基本的に1つしか存在しないのが通常で、それがビットコインが1つのコインといえる理由です。

しかし、今後のビットコインの運営方針などがまとまらず、いくつもの意見が拮抗したとき、ブロックチェーンが2つもしくはそれ以上に分裂する可能性があります。それぞれのルールに基づき、2つ以上のブロックチェーンが並行して存在し続ける状態は、お互いのブロックチェーンに互換性がないため、事実上「別々のコイン」であるといえます。

ビットコインは、まさにその状態になることが濃厚になっているのです。

国内14か所の取引所が「取引停止」を発表。時期はいつから?

このような事態を受けて、2017年8月1日0時から国内14か所の取引所で、取引を一時的に停止する運びとなりました。
ビットコインの分裂は8月1日午前9時過ぎの予定で、その時期に合わせた形です。ビットコインが分裂すると、ビットコインを所有するすべての人に大きな影響が及びます。

日本仮想通貨事業者協会(JCBA)の発表によると「混乱の程度の予想は困難であり、重大なセキュリティーリスクが発生する可能性は否めません」とのことで、前代未聞の事態であるビットコイン分裂によるリスクは限定できないとの見方です。
それが取引停止の理由でもあるようです。

なお、取引を停止する取引所は以下の通りとなっています。

取引を停止する取引所
ビットフライヤー
ビットバンクトレード
Zaif
コインチェック
BITPoint
QUOINE
フィスコ仮想通貨取引所
Z.comコイン byGMO
BtcBox
FIREX
みんなのビットコイン
BitTrade(ビットトレード)
Lemuria(レムリア)
東京ビットコイン取引所 【TBX】

 

これらの取引所すべてにおいて、2017年8月1日0時から取引(引き出し・受け入れを含む)が停止します。
ビットコインが分裂する可能性は100%ではありませんが、取引停止については決定事項であり、ほぼ確実に実行されるので注意しましょう。顧客資産を守ることが取引停止の理由なので、この時期にビットコインの取引をすることは勧められません。

どうしても取引する必要がある場合は上記以外の国内取引所、もしくは海外取引所などを利用することになります。

取引再開の時期は決まっていない。8月4日までの動向に注目

ビットコインの分裂騒動により、2017年8月1日前後の期間に国内14か所の取引所で取引が停止されます。取引所によっては2017年7月31日の夕方頃から取引停止が始まる模様です。

その再開はいつごろになる予定なのでしょうか?ビットコイン分裂によりどの程度の影響があるのかは誰にも予想できない状況で、日本仮想通貨事業者協会(JCBA)も取引再開の詳細については明らかにしていませんが、各業者で個別に発表しています。

・ビットフライヤー

・コインチェック

コインチェックでは、2017年8月1日 午前0:00以降、「Coincheck以外のウォレット」から「Coincheckウォレット」への入金を行わないよう呼びかけています。万一入金してしまった時は残高への反映は入出金機能の再開後となるようです。また同日午前0:00以降に「Coincheckウォレット」から「Coincheck以外のウォレット」への送金は停止するとのこと。

・Zaif

これまでの発表によると、「2017年8月4日 16:00 (日本時間) までにビットコインの受け入れ及び引出の再開目処に関する更新を行う予定です」とのこと。
あくまで再開のめどについての更新であり、8月4日に取引を再開するという意味ではありません。含みを持たせた発表といえます(収束しない場合は改めて見通しを発表する)。「8月4日より長引くケースもあるが、早まる可能性もある」と考えるべきでしょう。

取引停止は顧客資産の保全を優先するための決断

ほとんどの投資家は「取引再開の時期をはっきりさせてほしい」を感じるはずです。
取引停止をがっかりしている方も多いのではないでしょうか?しかし忘れてはならないのは、ビットコインの取引停止は「顧客資産の保全のため」であること。取引所としては、取引手数料の収益減となるため、取引停止を避けたい立場なのです。

それでもなお取引を停止させるのは、顧客の資産を守るためです。
ビットコインの歴史上、前代未聞のブロックチェーンの分岐。どの程度の影響があり、それがどのくらいの時間続くのかが未定である以上、取引再開も「未定」とするのはやむを得ないところではないかと思います。

それぞれ取引所によって取引停止の対応は異なる

ビットコインの取引停止については、それぞれの取引所によって対応が異なる点に注意が必要です。
取引停止するのは国内14か所の取引所で、それ以外の取引所では基本的に取引は停止されません。とはいえ、8月1日が近づくにつれ状況次第では取引を停止する取引所が新たに出てくるかもしれません。

また、取引を停止する国内14か所の取引所についてもそれぞれの対応は異なります。
たとえばコインチェックでは、「ビットコインの入出金、また決済機能を一時停止とする可能性がございますことをお知らせ致します」としており、取引を停止しない可能性を匂わせるような文面です。

ビットコイン以外のアルトコインについても取引停止する可能性がある旨も、コインチェックでは発表しています。
一方、別の取引所Zaifでは、上記の国内14か所の取引所には入っていないものの「顧客資産の保護のため、7月31日にBTCの入出金を一時的に停止させていただきます」としています。

それぞれの取引所のホームページ等を確認し、詳細を把握することが大切です。

そもそもビットコイン分裂問題とは?その原因や影響は?

ここまで、ビットコインの分裂騒動を受けての国内取引所の対応を中心に解説してきました。
それでは、そもそもなぜビットコインは分裂しようとしているのでしょうか?
そして分裂が発生するとどのような影響があるのでしょうか?

ここからは、ビットコインの分裂についての知識を復習します。本質が分かっていると今後の対応もスムーズに取れるので、ぜひ理解しておきましょう。

ビットコインはどうして分裂するの?分裂は避けられない?

ビットコインの分裂は、上述の通り「ブロックチェーンの分岐」です。
通常、ビットコインのブロックチェーンは1つのみ。2つ以上が長期にわたって存在し続けたことは、いまだかつてありません。ブロックチェーンはビットコインの取引データがチェーン状に繋がったもので、ビットコインの本質に極めて近い存在です。
これが2つ以上存在することになれば、事実上2つ以上のビットコインが存在していることと等しく、これがビットコインの分裂といわれているものです。

現在、ビットコインは分裂する可能性が高くなりつつありますが、それはどのような理由によるものでしょうか?
ビットコインはその誕生以来、人気が右肩上がりに向上し、それに伴い送金などの取引量も右肩上がりに増加してきました。ビットコインのコミュニティにとって好ましい状態といえますが、一方、取引システムのキャパを上回るのではないか?という懸念の声も大きくなってきました。

実際、今後さらにビットコインが普及していくためには、現在のキャパ(ブロックサイズ)では足りなくなりつつあります。
取引量が増えると、記録するデータも増加するためです。
では、取引量が増えてもキャパシティオーバーとならないためにはどのようにすればよいのでしょうか?

1つ目は「ソフトフォーク」と呼ばれ、これまでのビットコインとの互換性を保ちつつ「分裂を防ぎながらキャパを増やす方法」です。代表的なのは「SegWit」と呼ばれるシステム変更です。

2つ目は「ハードフォーク」と呼ばれ、これまでのビットコインとの互換性を断ち切り「分裂してでもキャパを増やす方法」です。ビットコインには「特定の管理者」が存在しないため、どちらを選択するかは皆の投票で決定します。

しかし、ソフトフォークとハードフォークにはそれぞれメリットとデメリットがあり、どちらを選択するか意見がまとまらない状態が続いています。この合意形成の問題こそ、ビットコインが2つに分裂する原因となっています。

現状、合意形成をどのようにしていくかという課題は解決しておらず、結果としてビットコインの分裂も決定的なものになりつつあります。

ビットコインが分裂することで何が起こるのか?

ビットコインをこれから買おうと思っている人や、すでにビットコインを保有している人にとって、気になるのは「ビットコインはどうなってしまうのか?」「値上がりするのかそれとも値下がりするのか?」といった問題でしょう。
この問題に明確な答えが用意できればよいのですが、残念ながら現時点では確実なことはいえません。

誰にも予想できないからこそ混乱が予想され、国内14か所の取引所が取引停止するに至ったのです。
2017年7月19日現在、ビットコインの相場は約1BTC/25万円。その1ヶ月前には約1BTC/30万円だったことから、相場全体としてはどちらかというとネガティブな反応といえます。

最前線の投資家の中には「前向きな分裂」との見方も強く、一時的に値下がりするものの反発するシナリオも予想されています。

分裂騒動で利用者やその取引にどのような影響があるのか?その対策は?

「ビットコインが分裂騒動により利用者にどのような影響があるのか?」を考えるには、「本当に分裂するのか?」という判断と、「分裂した場合どのような影響があるのか」という予測の2つを考えなければなりません。
両方ともに想定できるシナリオがいくつかあり、不確定要素も多いため、確実なことはいえません。

しかし、予想されるシナリオの中には極めて深刻なものもあることは理解しておくべきです。
たとえば、取引停止が解除された後のビットコイン引き出しについて、14か所の取引所は、「ビットコインが分裂した場合(2つ以上のブロックチェーンが長期的に共存する場合)、利用者が保有するビットコインが各ブロックチェーンに記録されていれば対応する」旨を発表しています。

これは事実上、ビットコインを引き出せなくなる恐れがあることを意味します。
また、分裂することにより利用者や取引所で重大なセキュリティ上のリスクが発生する恐れがあるともしています。

ビットコイン分裂による影響の程度は予想が困難ですが、最悪のシナリオを想定した場合、その確実な対策は「ビットコインを売っておく」ということになるでしょう。

必ずしも悪いニュースではなく「ポジティブな分裂」という考え方も

ここまで、2017年8月1日に発生する可能性が高いビットコインの分裂について解説しました。
共通していることは、不確定要素が多いことです。ビットコインの分裂は、実は以前からたびたび指摘されていました。スケーラビリティ問題と呼ばれるブロックサイズのキャパの問題は、直ちに重大な影響があるわけではありません(取引に時間がかかるといった影響は現在もありますが)。

しかし長期的には、ビットコインが発展していくにはキャパを増やすシステム変更が欠かせません。合意形成が取れない現在のビットコインは、特定の管理者が存在しない通貨の課題が浮き彫りになった形です。
今後、どのようにビットコインを運営していくのか?先行きに対して懸念が広がっていることは、ビットコインの値下がりや大きな価格変動からも明らかでしょう。

しかし、ビットコインのシステム変更についてさまざまな意見があることは、それだけビットコインに多様性があるということでもあります。
ビットコインの分裂は必ずしも悪いニュースではなく、騒動が収束してみなければ判断できない部分もあります。取引記録のキャパを広げようとする意味では「ポジティブな分裂」でもあり、リスクはあるものの今後が楽しみです。

現在は「とりあえず様子を見よう」という意味で売られて値下がりしているので、騒動が収束すれば買い戻されることも考えられます。特定の見方に左右されず今後の動向を慎重に見守りたいところです。

RELATED