• 減価償却費は業績向上への期待を探るヒント!いい株を見つけ出す重要な指標

減価償却費とは?株式投資に重要な今後の業績を読み解く上での大きなヒント

2017年12月10日

減価償却費といきなり言われてもよく分からない、という人が多いのではないでしょうか。

株式投資の経験が長かったり、簿記を勉強したりした人にはおなじみの減価償却費ですが、一般的にはなじみがないのが現実です。しかし、減価償却費の意味を理解すると企業の事業への取り組み姿勢が見えてきます。企業の今後の成長への期待度をはかる指標としても活用できるので、有望株を見つけるのに役立ちます。

経営や簿記の専門用語としての減価償却費ではなく、株式投資の際に役立つ指標の一つとしての減価償却費を理解しておきましょう。

減価償却費は会社が設備投資に積極的かどうかを示している

減価償却費については「固定資産を耐用年数で割って各年の費用として計上する」といった説明がなされることが多いと思います。この理解は正しい理解ですが、株式投資に役立つ理解としては不十分です。また、そもそも固定資産や耐用年数、費用という言葉が馴染みのない人にはちんぷんかんぷんです。

固定資産、耐用年数、費用を理解して減価償却費の理解を深めよう

会社が利益を上げるためには、一定の設備投資が必要です。商品を作るための機械を購入したり、機械を動かすための工場の建設や、従業員を雇うことも必要です。また、利益を上げるためには商品を作るだけでなく、売らなければいけません。利益を上げるために支出したすべての金額が費用と呼ばれるものです。

さて、設備投資には2種類の設備投資があります。修繕や補修のための設備投資と新規の設備投資です。新規の設備投資で購入された機械などは、商品を作るために長期間利用するため固定資産と考えられます。機械などのモノが固定資産だと考えておきましょう。

耐用年数とはその機械が今後何年間利用できるかというもので、実は分野ごとに国が期間を定めています。例えば、食品を製造するための機械の耐用年数は10年と決まっています。
ここまできたら、あとは簡単な割り算をするだけで減価償却費を求めることができます。

例えば、食品を作るための1000万円の機械を購入したとします。この機械の減価償却費は、1000万円÷10年で100万円/年となります。
機械を購入した翌年からは支出がないのに100万円を費用として計上できるというわけです。

株式投資と減価償却費の関係

株式投資と減価償却費の関係で最も重要な点は、減価償却費は新規の設備投資が増えればそれだけ増えていくということです。減価償却費が大きいということは表面上の利益を押し下げてしまい業績は悪化しているようにみえるかもしれません。しかし、利益を減らしていても、それだけ設備投資に回していると考えるのです。

設備投資に積極的であるということは、生産能力の向上や新商品の開発に積極的だということです。株価の動きは将来への期待と連動するものです。今後の企業が発展し成長していくと投資家が判断すればその会社の株は買われます。その将来性を計る指標の一つとして減価償却費を見ることができます。

実際の支出がないのに費用として計上できる、これも株式投資の際の減価償却費の見方の重要なポイントのひとつです。費用として計上するということは利益から除くということです。つまり、表面上利益を押し下げることになります。しかし、実際には減価償却費分の費用は支払っていないわけですから、会社の内部に残ることになります。また、利益を押し下げているので税金も少なくて済みます。

減価償却費はキャッシュフローを改善する働きと節税効果を発揮するものです。企業の財務体質を強化する働きをしているのが減価償却費です。

営業損益に影響を与える減価償却費を計算する2つの計算方法

ここまで減価償却費について株式投資との関係において2つの点を説明してきました。減価償却費が多いことは設備投資に積極的だと理解し、企業の将来的な成長が見込めrます。また、減価償却によって財務上のメリットを得ることもできます。

ところで、先ほどの説明で減価償却費の計算方法について少し触れましたが、実は減価償却費の計算には2通りあります。それぞれに特徴があり、どちらの計算方法を利用するかで営業損益に現れる数値に影響があるので、簡単に見ておきましょう。

「取得価額×定額法の償却率」で求める定額法は毎年の減価償却費が一定

定額法という計算では減価償却費が毎年一定になります。「取得価額×定額法の償却率」という式で求めることになります。減価償却の概念を理解する上では分かりやすいので、先ほどはこちらの例をあげました。

「未償却残高×定率法の償却率」で計算する定率法では減価償却費が減っていく

定額法の他に定率法という計算方法があります。「未償却残高×定率法の償却率」という少し難しい計算になります。定率法の特徴は、減価償却費が毎年減っていくということです。最初の年が一番大きく、徐々に下がっていきます。定率法では最初の年ほど節税効果が高くなります。

ちなみに、定額法、定率法どちらの方法で計算しても耐用年数経過までの減価償却費の合計は同額になります。

減価償却費をヒントに企業の設備投資への積極性、財務体質などを読み解こう

減価償却費は設備投資に使った費用を耐用年数にわたって費用として計上できるものです。減価償却費が大きければ設備投資を積極的に行い、事業拡大や生産能力の向上を目指しているということが分かります。株式投資では今後の企業の成長への期待が重要です。減価償却費はその成長への期待度を測る有効なヒントとなります。

また、減価償却費はキャッシュフローを改善し、節税効果もあります。このことから減価償却費を計上することで業績を向上させることもできます。

業績がよくなり、今後の成長への期待が高まる設備投資を積極的に行っている会社かどうかの判断に減価償却費は重要な指標となります。

著者情報
株主優待が大好き。 桐谷さんのように優待だけで生活するのが夢。 でも不動産投資やFXにも魅力を感じている今日この頃。

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