• 「織り込み済み」の材料は実現すると株価を一気に下げてしまうこともある

事実に先行して株価が反応するが、期待が実現しても株価は反応しない

2017年12月6日

株式投資をやっていると特に決算期などに「織り込み済み」という言葉を聞くことがあります。この「織り込み済み」とはどういう意味なのでしょうか。「織り込み済み」の株にはどのような特徴があるのでしょうか。

「期待で買って事実で売る」という株式投資の格言がありますが、この格言は「織り込み済み」の株価に対する格言です。期待や事実とは具体的にはどんなものなのでしょう。

株式投資における「織り込み済み」とはどのような現象を指しているのか

決算期や業績発表の時期になるとよく目にしたり耳にする言葉に「織り込み済み」があります。「織り込み済み」とはどのような現象のことなのでしょうか。なぜ、決算や業績発表時に多く聞かれるのでしょう。織り込み済みはどのような現象を指しているのでしょうか。

「織り込み済み」は好業績や期待の新サービスを発表したのに株価が上がらない現象

織り込み済みとは本来株価が上がるはずの事実が発表されたにも関らず株価に反映されないことです。それどころか、多くの場合株価が下がってしまいます。

株価に影響を与える要因のことを材料と呼びます。この材料が発表される前にすでに材料が株価に反映されている場合があります。いい材料であれば、発表前にすでに株価が上がっていることになりますから、発表されても株価には影響を与えません。それどころか、「期待通りになったね」ということで、その後株価が下がることが多いです。

そのため期待が出てきた段階で買っておき、事実の発表がなされる頃に売るという「期待で買って事実で売る」とう格言があるのです。

株価は株価を動かす要因(材料)に先行して動く性質がある

なぜこのような織り込み済みという現象が起こるのでしょうか。それは株式市場の性質に原因があります。

株価は株価を動かす要因である材料が出てくる前に動く性質があります。期待感や思惑が事実よりも先行して株価に影響を及ぼすのです。期待感や思惑は業績予想だったり、新商品開発のウワサだったり、新事業の立ち上げ計画だったりします。

株価を動かく要因は「材料」と呼ばれます。材料にはいい材料と悪い材料があり、いい材料が出てくれば株価は上がり、悪い材料が出てくると株価は下がります。ところが実際には材料が出てくる前にいい材料への期待、悪い材料への期待が生まれ、その期待や思惑が株価を動かすのです。

材料が事実となる前に、つまり発表された事実になる前の期待で株価が動くため、実際に材料が出てきた時には株価は反応しません。こういった場合にその材料は「織り込み済み」だと言います。

織り込み済みですでに動いてしまっている株を見極める方法

織り込み済みの株は材料が出た時にはすでに動ききってしまい、材料が発表されると期待とは反対に株価が動くこともあります。好業績が発表したにもかかわらず株価が下がったり、逆に悪い材料が発表されたのに株価が上がることもあります。

このような織り込み済みの株を材料が出てきた時に取引するとどうでしょうか。上がると思って買った株がさがり、下がると思って売ったら上がる。という損をするパターンにはまってしまいますね。「期待で買って事実で売る」の格言にあるとおり、織り込み済みを察知して期待感のあるうちに買っておき、事実が発表された時に売り抜けたいところです。

織り込み済み株であるかどうかを見極める方法は?

織り込み済み株であるかどうかの見極めは正直簡単ではありません。しかし織り込み済みが見極められるようになると株式投資が一段と楽しくなります。

織り込み済みの株を見極める方法は2種類あります。一つは材料が出た後で材料に反応しなかった株を見つける方法。もうひとつは株価の動きを予測し、織り込み済み材料が出る前に見つける方法です。

株式投資に活かすためには後者の見極め方を身につける方がお得ですよね。「この株は織り込み済みだったのかぁ」と後悔の中で織り込み済みの株を発見できてもうれしくないですよね。しかし、のちのちのためのいい経験にはありますから、材料が発表されても株価に反映されていない株の値動きはさかのぼってチェックしておく方が得策です。

織り込み済みの株を事前に察知するためのコツや注意点

織り込み済みの株はできれば事前に察知し「期待で買って事実で売る」を実践したいものです。織り込み済みの株を事前に察知するにはどんなコツがあるのでしょうか。

決算前には企業は業績予測を発表しています。業績予測をこまめにチェックすることで市場の「期待」を読み取ることができます。業績への期待が高まれば、好業績の発表という材料を織り込んで、決算発表前に株価はあがることになります。ですから業績予測をこまめにチェックすることがまずは重要です。

つぎに、株価の動きを見極めることも大切です。株価は理由なく動くことはありません。表面上なにもないのに株価が動いている場合は何らかの材料を織り込んでいる可能性があります。そこから企業情報や周辺情報、市場全体を見渡して織り込まれている材料を見つけ出すのです。この地道な作業が織り込み済みの株を発見するコツです。

織り込み済みの株を探す上で注意しなければいけないこともあります。それは織り込まれた材料の期待以上のものだった場合です。その場合、株価はより大きく上がったり、下がったりします。「期待」が出た段階で買うのは良いですが、売るタイミングは少し様子を見た方がいい場合もあります。

織り込み済みの株を見極めて利益を出すために買うタイミング、売るタイミングを知ろう

織り込み済みの株を見つけることが出来たら、次はいつ買って、いつ売るかのタイミングを見極めましょう。織り込み済みの株を見つけるということは、株価の動きの予想するということでもあります。これから上がっていき、材料が出たタイミングで下がる株。それが織り込み済みの株です。

では、具体的にどのタイミングで買い、どのタイミングで売るのがいいのでしょうか。

本格的に上昇するタイミング見極めるための長期チャートと短期チャートの読み取り

織り込み済みの株は決算発表前に現れることが多いです。決算発表の2週間とか1週間前がそのタイミングです。ですからそのタイミングで織り込み済みの株を見極めて買うのが正解です。

ですが、実際には長期チャートで確認しておくことをおすすめします。毎年の決算前にはどのような値動きをしているのか、その年の決算内容はどうだったか。などを細かく見ておく必要があります。

その会社の株がここ数年の決算前には株価を上げていたとします。そして今期の業績予想が前期の伸びとそれほど変わらなかったとしたらどうでしょう。「あぁ、いつもどおりか。これ以上は期待できないかもな」というマイナスの期待が生まれます。そうなればこれまで通りの業績という材料を織り込んで値下がりすることが予想されます。

長期チャートだけでなく、短期のチャートのチェックももちろん大切です。決算前に急激に値を上げている場合には、よい材料を織り込んでいると判断し、決算発表前までは値上がりするだろうと予測します。

このように長期、短期のチャートを上手く使って織り込み済み株の買いのタイミングを計りましょう。

織り込み済み株は下がる前に売ってしまいたい。その理由とタイミング

織り込み済み株は事実で売るのがセオリーです。しかし実際には材料が発表され、期待から事実になった瞬間に株価は下がり始めてしまいます。そうなると注文がなかなか約定せず結局大損してしまうとうことにもなりかねません。ですから実際には材料が発表される前に売ってしまうのが安全です。

株式投資において織り込み済み株を見つけることはその会社についてよく知るということ

織り込み済みとは材料が発表される前にすでに株価に反映され、材料が発表されても株価に影響を与えない、もしくは逆の影響を与える現象をさします。好業績の発表があったのに値下がりする銘柄などが織り込み済みの株です。

織り込み済みの株を見つけることができれば株の売買で利益を上げることができます。事前に株価の動きを察知するので、利益につながりやすいのです。織り込み済みの株を見つけるためには業績予測や商品開発、株価の動きなどの地道に調べていく必要があります。結果的にその会社の業績、財務状況、事業内容を詳しく調べて知り尽くすことになります。

織り込み済み株を見つけることで株式投資に必要はいい会社を見極める眼力も身につきます。ぜひ次の決算時期の前には織り込み済み株を探してみてください。

著者情報
株主優待が大好き。 桐谷さんのように優待だけで生活するのが夢。 でも不動産投資やFXにも魅力を感じている今日この頃。

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