• 株主価値、企業価値、事業価値は似ているようで実は違う3つの言葉

株主価値、企業価値、事業価値を理解して株価の割安、割高を判断しよう

2017年12月7日

企業価値や時価総額という言葉を聞いたことはありませんか?これに似た言葉に株主価値、事業価値という言葉もあります。これらの用語は企業経営やファイナンス分野の専門用語として使われていましたが、最近では一般的にも使われるようになってきました。一般的に使われるようになると似たような言葉である株主価値、企業価値、事業価値を混同している人もいるようです。3つの用語はどれも「価値」つまり「値段」を表していて分かりにくいのでしょう。

株式投資でいい会社の株、お買い得な株を見つけるには株価の割安、割高を判断することが重要です。そのためには、株主価値や企業価値、事業価値がそれぞれ何を示しているのかをおおまかに理解しておくことが大切です。それぞれの言葉の意味を簡単に確認しておきましょう。

似ているようで違う3つの用語 株主価値、企業価値、事業価値は何の価値を表す?

株価の割安、割高を判断するために株主価値を理解する必要があります。株主価値を理解するには企業価値、事業価値も同時に理解しなければいけません。まずはそれぞれの用語の意味を簡単に確認しながらそれぞれがどんな価値、値段を表しているのかを理解しておきましょう。

株主価値は企業価値から、企業価値は事業価値から導き出されるので、事業価値、企業価値、株主価値の順でご説明していきますね。

企業の事業活動によって生み出される価値 それが事業価値

事業価値とは企業が持っている資金でどれだけの価値を生み出せるかを表しています。手持ちの資産をどのように活用しているかによって、事業価値の評価は変わってきます。事業価値の計算には将来的に得られるキャッシュの合計金額を計算するDCF法が主に使われます。

DCF法はディスカウントキャッシュフロー法のことで収益を生み出す資産の価値を評価する計算方法です。将来にわたって生み出す価値を評価するので、簡単な計算ではありません。まずは事業価値の計算にはDCF法が使われている、という程度の理解をしておけば大丈夫です。

事業価値に対して非事業価値というものもあります。こちらは事業に関係ないところで生み出される価値のことです。例えば手持ちの現金や資金運用のために保有している株式や投資信託、などの金融資産の合計額を示します。非事業価値は売却してしまっても事業に影響を与えないのが特徴です。

企業価値は事業価値と非事業価値を合わせた企業全体の価値

企業価値を求める式は次のようになります。

企業価値=事業価値+非事業価値

あら、簡単ですね。事業価値をDCF法で求め、非事業価値を足せば企業価値を知ることができます。企業価値は事業用の資産から生み出される事業価値と事業用ではない資産の価値である非事業価値の和です。

企業価値を最大化することが企業経営を最大の目的であるとも言えます。事業が生み出せる収益を増やし、成長し続けることで事業価値を高めるのです。事業価値は将来にわたって生み出される価値を計算するので、継続的に成長していくことも重要です。

企業価値は資産を提供した株主や負債によるものとも考えられています。このことから株主価値を計算することができます。

株主価値は企業価値のうち株主ものと考えられる価値

企業価値は事業価値と非事業価値の和で求められます。そして企業価値はその企業を支える企業や負債によるものとされています。企業価値から負債を除いたものが株主価値となります。式に表すと次のようになります。

株主価値=企業価値―負債価値

ここで負債価値についても考えてみます。負債価値とは借入金などを指します。より具体的に言えば債権者持ち分や有利子負債分などのことです。

株主価値とは別の言い方をすれば企業が上げている利益から資本コストを差し引いた付加価値の部分だとも言えます。

株主価値、企業価値、事業価値はそれぞれどのように関連しているのでしょうか

株主価値、企業価値、事業価値はそれぞれどのように関連しているのでしょうか。関連性を知ることで、株主価値の見極め時に影響力の大きい価値を知ることができ、会社の経営体質の健全性や将来性を計ることもできるようになります。

事業価値を高め、企業価値を最大化することが企業の最終目的

企業が事業を行うことで得られる利益から導き出されるのが事業価値です。企業が利益を上げることは事業価値を高めることです。事業価値の高い会社は稼ぐ力があり、継続的に成長できる会社であると言えます。

企業価値を構成する事業価値と非事業価値のうち、企業の営業努力や経営改善などが影響を及ぼせるのが事業価値です。企業は事業価値を高めることで企業価値を高める努力をしなければいけません。

企業価値のうち負債部分は金額や期限が決められている

株主価値は企業価値から負債価値を引いたものです。逆に言えば、企業価値は株主価値と負債価値の和だとも言えます。企業価値を構成する株主価値と負債価値のうち負債価値は簡単に言えば借金のことです。借金の額は決まっていますし、返済期限や利子も決まっています。

一方の株主価値は企業価値が上がれば上がり、企業価値が下がれば下がることになります。
企業価値と株主価値は異なるものですが、企業価値が上がれば、株主価値もあがることから、株主は企業価値を高めるように会社に要求することになります。

実際に株式を取引する上で3つの価値をどう利用すればよいか

株式取引をする上で絶対の鉄則とは安く買って高く売ることです。安く買うと言ってもいくらなら安くて、いくらだと高いという絶対的な基準があるわけではありません。相対的に安め、高めというのを判断することになります。これを割安、割高と言います。

株価の割安、割高を判断するのに理論株価を利用します。理論株価を求めるには次の式を用います。

理論株価=株主価値÷発行済み株式数

理論株価と比べて現在株価が高ければ割高、安ければ割安という判断が可能になります。ただ、株主価値は企業価値から求められます。その企業価値は事業価値と非事業価値からもめられます。事業価値に比べて非事業価値が高すぎたりする場合には企業本来の稼ぐ力以上に企業価値が高まってしまっている場合もあるので、よく確認する必要があります。

株主価値、企業価値、事業価値はお互いに関連して株価の割安、割高を教えてくれる

株主価値、企業価値、事業価値という、似ているようで違う3つの用語の意味や株式投資への利用の仕方を見てきました。

企業は資産を有効に利用して利益を上げるために企業活動をしています。企業活動によって生み出される価値の評価額が事業価値です。事業価値は企業価値に直結し、企業価値の高い企業はそれだけ価値のある企業であると判断できます。一方で企業価値には負債額も含まれているので、企業価値から負債額を除いたものが株主価値となり、企業が持っている付加価値部分を示します。

株主価値を知ることで現在の株価が割安か割高かを判断することもでき株式投資をする上での判断材料のひとつとして有効な数値です。株主価値がどのような意味を持つのか、そして株主価値の求め方を知っておくことでより正確に株価の割安、割高を判断できます。

今回ご紹介した3つの価値を理解してより安心で安全な株式投資のために役立ててください。

著者情報
株主優待が大好き。 桐谷さんのように優待だけで生活するのが夢。 でも不動産投資やFXにも魅力を感じている今日この頃。

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