• 自己資本比率が低すぎる企業への投資は注意が必要

自己資本比率が低い=負債が大きい、リスクのある企業は投資対象から外すこと

2017年3月13日

どの銘柄を買うか考える際に企業の将来性について考えなければいけません。

その際に重要な指標の1つが自己資本比率です。
自己資本比率が低すぎる場合、長期保有だとリスクを抱えてしまいます。業績も良く、自己資本比率が低い銘柄を選ぶことで、安心して長期保有が可能です。

ここでは、自己資本比率が低いとなぜリスクになるのか、低い場合は必ず危険性があるのかなど、自己資本比率の側面から銘柄を見た場合の特徴について紹介いたします。

自己資本比率が低い会社は、返済義務のあるお金が多いので注意が必要

自己資本比率が低すぎる会社は注意が必要です。
自己資本とは返さなくていい企業の資本を示します。

自己資本比率が低いということは、返さなくてはならない負債(他人資本)がたくさんあるということです。

返さないといけないお金が多いと、自由に使えるお金は少なく、経営が制限されてしまいます。
自己資本比率が低いと、自己資本を負債が上回ってしまいますので、最悪のケースになった場合の、不況対応力も弱いです。

自己資本比率が60:40など高い場合は、負債を全部返済しても20%の自己資本が残り安心できます。自己資本比率が低いと、事業拡大で多額の資金が必要な場合も捻出できません。

金融機関などから借りるしかなくなります。ただ、借入をすると有利子負債が増えてしまい、企業の負担が重くなります。

業界によって自己資本比率の平均値・適正値は異なりますし、企業方針によっても変わりますので一概には言えませんが、自己資本比率は40%以上あれば安心と言われています。

60%以上あれば優良企業とも言われます。

しかし、必ずしも低いと危険ということではありません。参考までに世界的企業であるトヨタの自己資本比率は40%にも満たない36.3%(2016年3月期)です。ユニクロのファーストリテイリングは46.4%(2016年8月期)、ソフトバンクは12.6%(2016年3月期)です。

企業の経営の安全性を見る指標自己資本比率とは何なのか?

自己資本比率とは、企業の経営の安全性を見るための指標で、総資本が、どの程度自己資本でまかなわれているかを示します。

自己資本比率を算出する方法は「自己資本÷総資本×100」です。
自己資本とは企業が自由に使えるお金です。
資本金やこれまでに企業が稼ぎ蓄えてきた利益(利益剰余金)や、資本剰余金などのことです。一方で負債(他人資本)もあります。
負債の場合は、金融機関からの借入など、返さなくてはいけないお金のことです。自己資本比率は、返さなくていい自己資本と、返さなければいけない負債との割合を示します。

例えば、自己資本比率が30%の場合は、すべての資産のうち、返さなくていい自己資本が30%で、返さなくてはいけない負債が70%あることを示します。

個人で考えると全財産が100万円で、返さなくていいお金が30万円、返さなくてはいけないお金が70万円ということで、余裕のある状況ではないことが分かります。

返さなくていいお金が大きいほど、ご飯や買い物、勉強など、さまざまなことに自由に使えます。
逆に返さなければいけないお金が大きいと、お金を使う選択肢は限られます。

企業も同様で、自己資本比率が高いかどうかによって経営の選択肢が変わる可能性があります。
自己資本が少なければ、お金を使う際も借りなければいけません。

自己資本比率と合わせて営業キャッシュフローにも注目

自己資本比率とともに、営業キャッシュフローにも注目をしましょう。
営業キャッシュフローとは、企業が日々の営業活動において得た収入と支出のお金の差です。
つまり営業キャッシュフローがプラスであれば、現金が増えていることを表し逆にマイナスであれば、営業活動が上手くいっておらず現金も不足し困っていることを表します。
自己資本比率が低いうえに営業キャッシュフローもマイナスであれば厳しい状態です。
返さなくてはいけない負債があるなかで、本業においての稼ぎ(現金)も減っており、非常に危険なことが分かります。
営業キャッシュフローがマイナスだと、負債もあるうえに現金不足→他からお金を借りる→さらに負債が増え苦しくなる・・。

という悪循環にも繋がります。投資活動や財務活動のキャッシュフローもありますが、営業キャッシュフローに注目しましょう。

自己資本比率の適正値は業界によって異なり、銀行の自己資本比率は低い

自己資本比率の適正値は業界・業種によって異なります。

概ね建設業は30.8%、不動産業は22.6%、サービス業は24.3%などです。

経済産業省発表の平成26年度企業活動基本調査速報では、製造業・卸売業・小売業の自己資本比率平均が発表され、製造業47.3%、卸売業32.9%、小売業40.5%です。

また銀行などの金融機関は自己資本比率が低いのが特徴です。これは銀行の仕組み上、
自己資本よりも、国民の預金や日銀からの借入など他人資本が多いためです。

借金がある会社は必ず危険なのか?借金をして事業拡大することは悪いことではない

借金をすることで負債(他人資本)が増え、自己資本比率が低下します。しかし、借金して事業拡大することはとても大切です。
例えば、自己資金が1,000万円で年利10%の利益を出す企業だとすれば、借金をしない場合は1年間の利益は100万円です。
しかし、1,000万円借金をして事業資金2,000万円であれば、利益は200万円になります。
自己資本比率は低くなりますが、利益は倍になります。
自己資本比率が低いことは、企業が成長していることも示します。

必ずしも借金をしないことが企業にとってプラスではありません。

自己資本比率100%の企業は?借金の少ない企業はたくさんある

業績を開示している上場企業のなかで、自己資本比率100%の企業はありません。
しかし90%台の企業は多くあります。例えば株式会社ツツミは自己資本比率97.53%、株式会社キーエンスは94.6%です。

100%ではありませんが自己資本比率だけを見ると財務も安定しており非常に優良企業です。他にも70〜90%台の非常に自己資本比率の高い企業が多数存在します。

自己資本比率が低いと注意は必要だが、成長の証でもある

自己資本比率が低い場合、それだけ借金の割合が多いことを示しますので、確かに注意が必要です。
しかし、自己資本比率が低いからと言って必ずしもマイナスではありません。
企業の成長にあたり借入をし投資している可能性があります。自己資本比率はあくまで企業を数字で見る際の指標の1つにすぎません。

参考指標の1つとして、キャッシュフローや利益成長力、業界動向や事業内容など、さまざまな観点から判断をしましょう。

著者情報
自虐に突っ走る投資初心者。腹八分目を肝に銘じつつ、欲と恐れと戦いながらどこまで我慢できるか毎日チキンレース繰り広げてます。

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