• 平成30年調査の空き家率速報値は2019年夏ころ発表予定

前回調査から見る平成30年調査の予測と急がれる空き家対応策の背景

2017年10月16日

総務省統計局が実施する調査に「住宅・土地統計調査」があります。
この調査は昭和23年以降5年ごとに行われており、現在の調査内容は平成10年に変更されたものが利用されています。前回の調査が平成25年でしたので、次は平成30年であり15回目の調査ということになります。

調査の目的は住宅と居住のある世帯、保有の土地の実態を把握することであり、全国編と地域別の現状を明確にすることで住生活の関連施策に役立てられています。
調査内容の中でも注目されているのが空き家率であり、総住宅数に対して空き家数がどのくらい占めているのかという割合を示しています。空き家率は毎回過去最高を記録しており、平成30年の調査も過去最高を記録するのではないかと予測されています。

空き家に関する問題は個人の問題としてだけではなく、町全体、社会全体として様々な問題が生じていますので早急な対策が必要になっています。

平成30年調査結果は2019年の夏ごろに空き家率速報値として発表予定

空き家率の調査は5年ごとに実施され、次の調査実施は平成30年ですが前回の調査日程を参考にすると、速報値が発表されるのはおおよそ10カ月後の2019年夏ごろと考えられています。

平成30年調査に多くの注目が集まっていますが、過去最高を記録した前回の数字13.5%を更に上回ると予測されています。平成30年調査は約16.9%予想と具体的な数字も挙げられており、空き家率の上昇は避けられないことは確実です。
空き家率の上昇を抑制するには総住宅数の減少が不可欠でありますが、それ以上に世帯数の減少スピードが進めば結局空き家率は上昇してしまいます。

調査は5年ごとに実施され、平成30年調査の速報値発表は2019年の夏ごろ

調査は5年ごとに実施され、現在は平成30年調査に注目が集まっています。
調査方法は各市町村の人口数をもとに調査区域を選定し、21万調査区域を割り出します。1調査区域につき17万戸を対象としますので、21万調査区域×17万戸=350万戸が数字として反映されることになります。

実際の全世帯数は5000~6000万戸といわれていますので、その差は大きいですが全てを調査するわけにはいかないというのが当然であり、調査の精度を考えて350万戸という数字に辿り着いたと思われます。

前回の調査は平成25年の調査で10月1日に実施されました。
その後速報値が発表されたのが2014年7月29日ですから約10カ月の時間を要しています。平成30年調査も同様であれば、2019年の夏ごろに速報値が発表になると考えられます。
配布をして回収をして集計、という手順を踏むわけですからこのくらいの時間を要するのは当たり前といえるでしょう。

平成25年13.5%の空き家率が平成30年(2018年)16.9%予測へ

平成25年調査では総住宅数6063万戸に対して820万戸という空き家数で、空き家率13.5%と2014年に発表されました。
(株)野村総合研究所によると平成30年・総住宅数6365万戸・空き家数1076万戸・空き家率16.9%と予測されています。更に平成45年・総住宅数7106万戸・空き家数2146万戸・空き家率30.2%と驚愕の数字が並んでいます。

平成45年には3戸に1戸が空き家ということになり、これを抑制するには総住宅数を減少させる必要があります。しかし、それができたとしても、それ以上のスピードで世帯数の減少が進めば空き家率は上昇し続けるということです。一刻も早い対策が望まれます。

持家系一戸建ての空き家率が特に早いスピードで上昇する背景

持家系一戸建ては特に早いスピードで空き家率が高まっています。
この背景には高齢化や核家族化、人口減少が大きく関連しており、建物を引き継ぐことができないという事が背景にあります。空き家を売却や賃貸するには改修が必要になるケースも多く費用負担が大きくなる、更地にすれば固定資産税が膨らむという理由から、何もせずにそのままが一番と考える人も多数います。
また、都市部では地方と比べると未だ低い空き家率となっていますが、人口減少により今後空き家率が上昇することは間違いありません。

空き家の管理状況によっては、腐朽や破損という大きな危険の要因になる可能性があることも知る必要があります。

一戸建ての空き家率(特に持家系一戸建て)が早いスピードで上昇する背景

空き家は主に4つに分類することができ、売却用・賃貸用・別荘などの二次的住宅・その他です。この中でも特にその他が一番の問題を抱えており、それは持家系一戸建てです。

空き家率全体においてその他が占める割合は、2008年35%、2013年39%と早いスピードで高まってきています。これは高齢化と相関性が高くなっており、核家族化や人口減少に伴い親世代の住居を引き継ぐことができないということを表しています。

居住しないと判断した時点で売却や賃貸などの方法を取るのが望ましいのですが、それも難しいというのが現状です。建物の建築年数や立地条件によっては新たに手を加えて改修や修繕などが必要になる場合もあり、それをしなければ市場からは見向きもされません。

また、建物を撤去し更地にすれば税金が跳ね上がります。更地に対し固定資産税は約6倍となるため、空き家であってもそのまま放置する方が有利となるのです。

主要都市の特徴から見る空き家率の背景・現在と今後の変化

地域別にみると空き家率が高いのは山梨県22%、次いで四国となっており、東京都、埼玉県、神奈川県は10%台と低い数字になっています。
東京都の空き家率は2013年11.5%とその5年前の数字と変化はありません。
これには都市部ならではの問題が背景にあると考えられます。

全国的にみると空き家のなかでもその他の割合が増加していますが、東京都のその他の割合は25.1%から18.7%に減少しています。
逆に賃貸用が65.1%から73.2%へと上昇しています。新築であれば満室になる確率が高く空き家のリスクはゼロに近いですが、建物が古くなると空室の期間が長くなり空き家となります。

空室の場合でも借り手を探しているうちは管理が行き届きますが、管理を辞めるとそのままの状態で放置されてしまいます。これが賃貸用73.2%となった背景だと考えられます。

また、都市部の空き家率は低いという事ですが、数ベースに換算すると一番多いのが大阪府、次いで東京都となっています。
都市部では単身の世帯が増加しているため、現在では低い空き家率を維持しています。しかし、世帯数も人口減少とともに減少に転じますので、都市部も今後空き家率が上昇することは間違いありません。

空き家と高齢化の相関性・空き家の不十分な管理による腐朽、破損状況などの危険

空き家率と高齢化率の相関性が高いことから、空き家になる要因は居住者の死亡や引っ越し、長期入院や施設への入居などです。
空き家になっても荷物はそのままの状態であることが多いため、物置として空き家を利用している人が多いとも言えます。また、取り壊しの費用や荷物の片づけにも費用がかかるため、何もせずにそのままの状態で空き家にしておくことが最も楽で費用もかからないということになります。

しかし、長期空き家になれば腐朽や破損などは避けられず、そのような状態になる前に管理状況を見直す必要があります。
管理作業には費用がかかる、遠方のため管理困難、利用の予定がないので管理する必要がないなどという理由で空き家として放置されていますが、管理がされていない空き家ほど腐朽や破損の比率は上がっており、危険を起こすことにも成り得るのです。

今後の空き家率上昇により生じる近隣住民の不安と町全体や地域全体の不安

空き家は家の持ち主だけの問題ではありません。空き家が増えれば住民不在の町となり、町は勢いを失い寂しい町へと変化します。
町は人々の賑わいや交流などが薄れ、それまで行われていたイベントや住民による町興しも出来なくなります。町はひっそりと暗い町としての印象が強くなってしまうのです。近隣住民の心配や不安も増大します。

空き家としての放置期間が長くなれば倒壊や破損の恐れがあり、衛生問題も生じます。不法投棄や不審者、放火などによる治安の悪化も心配されます。
住民が減少すればスーパーや商店の経営が難しくなり撤退を余儀なくされ、町として機能しないという悪循環に陥ってしまうのです。
空き家は持ち主だけの問題ではなく、町全体としての問題へと発展する大きな問題なのです。

空き家が増えることによる近隣住民への影響と町の変化や印象

空き家が増えれば、人がいないという事から近隣住民の不安や心配が増大します。
町としての賑やかさや人々の交流は薄れ、寂しい町へと変化していきます。人がいなければ、町のイベント開催や住民同士の町興しも難しくなります。以前町であふれていた人々の声は聞こえず、常にひっそりとし暗い町としての印象となります。

住民がいて初めて町として成り立つのですから、住民がいない町は町とは言えないという状況になるのです。

空き家の放置により生じる問題の数々とその近隣への影響の大きさ

空き家の放置期間が長くなるとどのような問題が生じるのでしょうか?
空き家の問題は倒壊や破損の恐れがあるというだけでなく、浄化槽や排水の放置により汚水が放出する、害虫が大量に発生する恐れもあります。また、立木の散らばり、動物が住み着くなどという問題も生じます。ゴミはそのままの状態になりますので、不法投棄も増えるでしょう。

管理者がいない空き家は、建物だけでなく敷地内全体において問題が生じます。また、それは近隣の住居や公道、町にも悪影響を及ぼすことにもつながります。
空き家はその建物や敷地だけの問題だけでなく、町全体の問題にまで発展することもあるのです。

空き家の増加による治安悪化と経済悪化、人口減少の悪循環

空き家の増加は不審者の侵入、放火などが増え治安の悪化へとつながります。
治安が悪化すれば、近隣住民の生活に影響を及ぼすだけでなく町全体にも悪影響となります。そのため各自治体はパトロールを頻繁に行い、また警備を強化するなどの必要が生じます。

それは行政のコストとなり、財政の圧迫にもつながります。町の治安を維持するために様々な手段や方法を取り入れることが必要になるのです。
また、住民が減ると行政の予算も削られますので、公道の修繕や公園の維持管理などにも影響を及ぼします。町のスーパーや商店も経営ができず、撤退を余儀なくされます。

町としてあるべきものが機能できずに撤退を迫られると、新しい住民の流入がないばかりか更なる住民の減少へとつながります。
この様な悪循環から抜け出せないという状況を生み出してしまうと、経済への影響は免れず再生への道はかなり厳しいものへと変化してしまいます。

空き家対策強化とともに人口減少対策の早急な対応策が不可欠

少子高齢化とともに空き家率は増加の一途をたどっており、調査の度に過去最高の記録を更新しています。次の調査は平成30年ですが、これもおそらく過去最高の空き家率を記録してしまうことでしょう。

空き家率は地域によりその数字と特徴には差があり、解決策は一概には言えません。
しかし、今後人口減少とともに世帯数の減少も生じ、日本全国どこの地域でも空き家率が上昇することは明らかなことです。
新築住宅数と総住宅数の減少に向き合うと同時に、世帯数の減少や人口減少に歯止めがかかるような手段を見つけなければ空き家率は増加し続けてしまいます。

平成26年空き家等対策の特別措置法が施行され、空き家への様々な取り組みが各自治体で行われています。しかし、取り組みを行っていても人口流出、住民減少という壁が大きな弊害となっています。
空き家に対する取り組みを強化するとともに、人口減少を食い止めるための早急な対策が必要になっています。

著者情報
オールマイティなトレーダーを目指して日々奮闘中 投資で5000万円貯める事が目標。 基本ビビりなので日々可愛い利益をコツコツ貯めています。

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