• 地上権の意味は?土地を借りながら自由に利用できる地上権を設定する意義や目的

地上権は物権でそれ自体を売買したり抵当に入れたりすることもできる

2018年2月8日

不動産の売買などを行う時に借地権、地上権、賃貸権といった言葉を目にすることがあります。
これらの言葉は漢字の意味からなんとなくの理解でいると思わぬ失敗につながり、時には損をすることもありえます。これらはいずれの他人の土地を借りて利用する権利のことですが、権利の内容やできること、できないことに違いがあります。

その違いや特徴を理解することで不動産取引を失敗することなく、地上権を上手に利用して不動産投資につなげることもできます。
地上権の意味や設定する意義、目的を確認することで不動産投資の知識とし、より幅の広い不動産投資を楽しめるようになります。

地上権とは土地を借りてその土地を自由に活用できる物権

地上権とは民法265条に規定されている「他人の土地において工作物又は竹木を所有するため、その土地を使用する権利」です。
他人の土地においてという部分で、土地を地主から借りることを意味します。工作物又は竹木といのは家を建てたり、倉庫を建てたりして利用することを意味します。

地上権があると土地利用、譲渡、賃貸に土地所有者の承諾は必要ない

簡単に言うと、土地を借りてその土地の上に建物を建てて利用できる権利のことです。
建物だけでなく、樹木を植えたりして利用することもできます。この権利を譲渡したり、建物を又貸しすることも出来ます。一方で土地の所有者は土地の所有権を持っているので、地代を土地の所有者に支払う場合も多くあります。

また、建物の建て替え増改築の際に土地の所有者の承諾は必要なく、土地を賃貸する場合には承諾を必要としません。さらに土地の所有者は地上権を設定した場合には地上権を登記する義務が発生します。

このように土地を自由に使うことができる権利が地上権なのです。

地上権は土地の上だけでなく、地下にも設定できる

地上権は地上という言葉通り、土地つまり地面の上にだけ発生する権利ではありません。
土地の上の地上権、土地の下の地上権が別々にあるのです。例えば、地下トンネルを考えてみましょう。自分の所有する土地の地下にトンネルが通っている場合、地主は土地の地下に地上権を設定しています。

トンネルの補修などには地主の許可は要らず、トンネルを管理する会社が補修工事などを自由に行いますし、作ったトンネルを他社に売却することも自由にできます

土地を借りて利用できる権利の地上権に地代は発生するのか

地上権は地主から土地を借り、その土地を自由に利用する権利です。ですから土地を借りるための地代を支払う必要があります。

この地代は例えば、年払いや月々払いなど更新制ではなく、契約成立時に一括で払う場合がほとんどです。
地上権を取得するために地主に支払う地代は土地の地価の2~7割が相場とされています。相場に幅があるのは、土地の利用によってそれぞれに容積率、建蔽率などの要素が異なるためです。

また、先ほどの地下トンネルのケースでは、地下鉄などを通すために地下トンネルを掘る際、地代が莫大になり地下鉄網の整備に遅れが生じていました。

そこで2001年に大深度法という法律が制定され、地下40m以深には土地の所有権が及ばないことになりました。これにより地下40m以深には地上権を取得しなくてもトンネルを通すことができるようになりました。

抵当権が実行された結果、土地所有者と建物の所有者が異なってしまった場合の法定地上権

地上権はここまでみてきたように地主にとってはあまりありがたみのある権利ではないように思えます。
ではなぜ地上権を設定するのでしょうか。地上権を設定する意義にはどんなものが考えられるでしょうか。

地上権を認めないと困ってしまう場合に備えて地上権がある

地主にとって決していい条件ではない地上権を設定するのは、地上権を設定しないと土地の利用者が困ってしまう場合があるからです。

そういう場合一定の条件を満たした上で取得する地上権のことを法定地上権といいます。
例えば土地の所有者が自分の土地に建物を立て、その建物に抵当権を設定したとします。もしこの所有者が返済できなかった場合、抵当に入れられた建物は競売物件となります。競売で建物を第三者が買うことになりますが、その時に発生するのが法定地上権です。

抵当権が実行されると、土地の所有者と建物の所有者が異なる、ということになります。
建物を買った人は建物を改築したり、他人に貸したりして利用するつもりで買ったのかもしれません。しかし地上権が認められないと、譲渡や賃貸、改築などができないことになってしまいます。それでは困るので、建物の所有者は地上権を持つことができます。

土地を利用しようとする人が地上権を取得し登記することの目的

土地を利用しとうとする人にとって地上権を持つかどうかは大きな違いになります。
地上権を取得することにより、貸借権に比べて多くのことが可能になるからです。ここでは地上権を取得する目的やその登記についてみていきます。

地上権では土地の使用、譲渡賃貸、相続や抵当権を設定することができる

地上権の目的を考える場合には似たような権利である貸借権と比較するのが分かりやすいかもしれません。
貸借権は土地を借りて利用する、という点では地上権と同じですが、使用については、建替えには地主の承諾を必要とするなどの大きな制限を受けます。

地上権では、取得すれば土地の利用が自由にできます。土地の地上権自体を譲渡したり賃貸することもできます。また、地上権を相続したり、地上権に抵当権を設定し、融資を受けることもできます。

特に相続や抵当権の設定は貸借権ではできません。
これが地上権を利用した不動産投資への活用法です。このように地上権を取得する目的には、土地利用について幅広い選択肢が得られることが考えられます。

地上権は物権でその権利を誰に対しても主張できる絶対的な土地に対する支配権

地上権は物権という権利に分類されます。物権はその物に対する絶対的な支配権を意味します。
絶対的な支配権をもつからこそ、自由に譲渡や賃貸に利用することも出来ますし、相続や抵当に入れることもできるのです。

また、地上権は物権ですから、誰に対してもその権利を主張することができます。
賃貸契約では貸主に対してのみ、その土地を借りて利用する権利があることを主張できますが、地上権を取得すると誰に対してもその権利を主張できます。

ですから、たとえ土地の所有者が変わっても利用者は新しい所有者に対して土地の地上権を主張することができます。

地上権を証明するための登記はいつどのように行うのか

土地の所有などを公に証明してもらうために行うのが登記です。地上権の場合にもその土地の地上権を登記することができ、登記によって権利の主張がしやすくなります。

さて、地上権の登記はどのタイミングで誰が行うのでしょうか。
土地の所有者が地上権を設定し土地を貸す時には、所有者が地上権の登記をする義務を負います。土地の所有者が登記を行うので、地上権を取得する側は何もしなくても登記がされている状態です。

登記の義務が発生するのは、地上権を誰が持っているのかを明確にし、土地の所有者が変わっても混乱しないため、そして地上権自体が譲渡されたり賃貸されることもあるためあらかじめ地上権を誰が持っているかを明確にする必要があるからです。

地上権は土地を利用する権利の中でも物に対する絶対的な支配権

地上権は土地を借りて利用するための権利です。
地上権は非常に強く、土地の利用に関して譲渡や賃貸、相続や抵当に入れるなど、自由に土地を利用することができます。ただし、土地のうえにどのような建物を建てるのか、樹木を植えるのかという点については契約書であらかじめ決められます。

自由に利用できると言っても所有者は地主さんで地上権を持つ人は所有者にはなれません。その点には十分注意しなければいけません。
土地の地上権を取得するには契約や法定地上権の他、相続や譲渡によって地上権を得る場合もあります。

また、その権利は第三者にも主張することができるので権利として強い権利だと言えます。

著者情報
オールマイティなトレーダーを目指して日々奮闘中 投資で5000万円貯める事が目標。 基本ビビりなので日々可愛い利益をコツコツ貯めています。

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