• 民泊が不法滞在トラブルの温床となるリスク

もしも民泊用の空き部屋を不法滞在に悪用された場合の対処法とは?

2018年1月19日

なかなか空き室が埋まらず、不動産投資を始めたけれど儲からない、そんなオーナーの悩みを民泊が解消してくれるかもしれません。
マンションの一室のような空き部屋を観光客に提供することで利益を得られる民泊が今、大きな人気を集めています。

日本は現在、少子化が原因で人口が減少しているということもあってか、住宅が供給過多へと陥っています。
今後、人口の減少スピードに合わせ、日本には至るところに人の住まない空き家が増える可能性が高く、危惧されています。

泊まる場所のない外国人観光客が増える一方で、空き家が増えているのであれば、利用しない手はないでしょう。政府はこの二つの課題を解消するべく規制を緩和し、誰でも気軽に空き部屋を民泊として提供できるように働きかけています。

規制緩和が進めば、今までであれば規制を理由に提供できなかった空き室、例えばワンルームの空き室などを民泊として提供することが可能となり、2020年のオリンピックまでには多くの外国人観光客の宿泊施設を確保することができるでしょう。
同時に、空き室に悩む不動産オーナーも、民泊用に空き部屋を貸し出すことで、お手軽に入居者を増やし、収入を得られることでしょう。

ただ、民泊の規制緩和は良いことばかりとは限りません。
外国人が手軽に民家に泊まれるようになると、不法滞在が容易になり、治安が乱れるリスクがあります。

不法滞在が増加しているのは仕事が多様化してきているから!悪用される技能実習制度

日本には現在、外国人技能実習制度と呼ばれる制度があり、多くの外国人がこの制度を利用して日本に滞在しています。

外国人技能実習制度とは、産業技能などを習得してもらうため、一定期間実習生として外国人労働者を雇用する制度のことです。

外国人技能実習制度の目的は発展途上国の経済発展を担う人材を育成することであり、期間中の外国人は日本における産業の技能や技術、知識を習得することになります。目的はあくまで国際貢献なのですが、日本としては海外の労働意欲が高い人材を低コストで雇えるなどのメリットがあります。

さらに、海外の人材を雇用することで、海外進出がしやすくなるなど、海外を視野に入れている企業ほどメリットがある制度です。

外国人技能実習制度で行われている職種の幅は広く、農業や漁業、建設、食品製造、繊維、機械など、多岐に渡ります。仕事が多様化している昨今、特定の分野に限らず、様々な産業で若い外国人労働者の活躍を期待されています。

本来であれば、日本にとっても外国にとってもメリットのある制度なのですが、現状としては悪用されていることが多く、さらに不法滞在の温床にもなっています。

というのも、外国人技能実習制度中の外国人は極めて安い賃金で働かされることが多く、実習実施機関の多くが労働基準関係の法令に違反しているとのことです。ハードな現場ともなると死亡事故が起こることもあるほどで、現代の奴隷労働などと揶揄されるほどです。

違法な労働や賃金の不払い、安全性を配慮していない職場環境を嫌い、逃亡する外国人も多くいます。行方不明になっている実習生の数というと、年間で3000人以上いるそうで、不法滞在の原因となっています。

かつて、日本で働く外国人というと、日雇いの工場など、特定の分野に限られていました。いくら日本で働きたいと思っても、日本の門戸は狭く、働けないため、不法滞在しようにもできない状況にあったのです。

しかし、外国人技能実習制度を始めるなど、様々な分野で外国人を雇えるようになった現在、特定の分野に限らず、様々な仕事に外国人労働者は就くことができます。それは不法滞在者も同様で、在日の外国人同士で連携をすることで、不法滞在中でありながらも様々な仕事に就くことに成功しています。

日本で起業する外国人が増えた結果、不法滞在外国人でも働ける環境が増加!

日本人が日本人を優遇するように、外国人も自国の人間を優遇する傾向があります。日本は確かに米国やヨーロッパなどと比較すると外国人の割合の少ない国ですが、外国人が全く住んでいないというわけではありません。

それどころか、近年では日本で起業する外国人が増えており、それが不法滞在外国人でも就労しやすい状況を作り上げ、社会問題化しています。

例えば、在日中国人社会では、不法滞在者のためにセーフティネットを作っているほどで、不法滞在中の中国人のために国民健康保険証を又貸しすることがあります。もっとも、無料で保険証を貸すことは滅多になく、ほとんどの場合は有料なのですが、お金を払ってでも不法滞在者のためのセーフティネットに依存する不法滞在者は多くいます。

中国人の中にはわざわざ中国から、日本で不法滞在で働いた方が稼げると言い、外国人技能実習制度を悪用してわざわざ中国人を呼び寄せるケースもあります。

なぜそのようなことをするのかといえば、不法滞在者として雇えば法律的な保護が及ばないため、普通の人材よりも低コストで働かせることが可能になるからです。

では、不法滞在者が増えている原因は、こういった日本で起業した外国人のせいなのかというと、残念ながら日本の業者も連携しているケースがあり、事態はかなり深刻化しています。

日本の業者も連携しているケースもあり!低賃金労働が不法滞在者の増加を後押し

外国人技能実習制度を利用している企業や団体は、外国人が起業した機関ばかりとは限りません。日本の企業や団体なども、外国人労働者を低賃金で雇えるということで、外国人技能実習制度を悪用し、低賃金で過酷な労働を押し付けています。

いくら重労働といえ、給料が高額であれば、そう滅多に職場から逃げ出すことなどありません。不法滞在者が増えてしまう要因というと、結局のところ外国人を安く扱き使おうと考え、劣悪な労働環境を強いる業者側に問題があるのでしょう。

ただ、母国と違い、ここは日本です。職場を逃げ出したところで、不法滞在者が行きつく場所など滅多にないのですが、安くて手軽に宿泊できる民泊が増えている昨今、不法滞在者であっても容易に住まいを見つけることが出来るでしょう。

民泊ビジネスと不法滞在の関係とは?無認可の民泊に宿泊する不法滞在者

現在、民泊の規制緩和が叫ばれる昨今、無認可の民泊に対して厳しい罰則を設けるなどの動きが政府側で進んでいます。

民泊の法整備を進め、規制を緩和することは、今の政府にとって急務の課題です。ただでさえ現在、多くの外国人が日本に観光に来ている状況です。2020年の東京オリンピックの頃には、さらなる外国人観光客の増加が見込まれるでしょう。

2020年までもう時間が少ないだけに、民泊の規制緩和は急ピッチで進むことでしょうが、だからといって無認可の民泊まで優遇してあげるつもりは政府には全く無いようです。

いくら民泊であれば格安で生活拠点を作れるからといって、誰でも簡単に受け入れることはできません。なにより、民泊を始めるには旅館業の許可が必要です。不法滞在者の受け入れを前提にしている民泊の許可など滅多におりません。

では、不法滞在者はどのようにして民泊を利用しているのかというと、そこは無認可の違法な民泊を利用しているのです。

どういった形で民泊が不法滞在者に利用されてしまうのか?無認可の民泊ほど危険

不法滞在者が民泊を利用するケースというと、まず民泊のホスト側も共謀している可能性があります。

例えば、民泊用の部屋に不法滞在者を住まわせる代わりに、振り込め詐欺などの犯罪に加担させるケースがあります。この手の犯罪の場合、ホスト側も犯罪者のため、警察による摘発が急務となるでしょう。

たとえ管理会社が犯罪に加担していなかったとしても、ホスト側とゲスト側が共謀している危険性もあります。

例えば、管理が甘い仲介業者に物件を登録し、不法滞在者を集うホストもいます。管理会社はあくまで管理をしているだけで、その物件が本当に民泊用の許可を受けているものかどうかを調べていないケースがあります。それだけに、安全性に配慮していない仲介業者はあまり利用しない方が良いかもしれません。

民泊を利用する不法滞在者の中には、詐欺を働く人たちもいます。例えば、滞在人数は一人だと申告していたにも関わらず、実際に泊まりに来た人たちは複数であったり、中には不法滞在者が紛れ込んでいるケースもあります。

このように、不法滞在者は時に嘘をついて民泊を利用するケースがあるだけに、ホスト側には細心の注意が必要です。

不法滞在者の中には詐欺どころか直接的に脅迫をすることがあります。例えば、無認可の民泊を見つけ次第、警察にバラされたくなかったら泊めろと脅迫する不法滞在者もいることでしょう。

これが合法の民泊業者であれば警察に通報するだけで済む話なのですが、不法行為を働いている民泊業者ともなると、発覚することを恐れ、脅迫に屈する可能性が高いです。

嘘をついたり、脅迫をするなど、不法滞在者が民泊を利用する手立ては無数にあります。ホスト側は不法滞在の温床にならないように、民泊の営業を始める際には必ず用心しましょう。

不法滞在の疑いがあるゲストの対処法とは?対面での確認がベスト

ゲストは一人だと聞いていたのに二人以上だった、写真と実物が全然違う、明らかに観光客ではないなど、不法滞在の疑いのある人物がゲストとしてやって来た時、ホスト側としてはどのような対処法が考えられるのでしょう?

民泊はホテルや旅館と違い、フロントを設置していないことが多いです。接客など、細々とした作業はすべてホスト側がやらなければならず、意外と面倒な仕事が多いです。それだけに、ついフロントを設置せず、そのままゲストを素通りさせてしまうホストもいるのですが、不法滞在者に悪用される危険がある以上、何かしらの対策を講じるべきです。

もしも不法滞在者に部屋を悪用されると、ご近所トラブルに発展したり、振り込め詐欺のような犯罪の拠点として使われたり、売春やテロ目的で使用される危険があります。他にも感染症や違法薬物のリスクもあるだけに、怪しい人物の利用は極力避けた方が無難です。

民泊を安全に営業するためにも、ゲストは本当に正しい人物なのか、本人確認は欠かさずにやりましょう。

民泊利用者が不法滞在の疑いがあった場合の対処法!

確かに民泊にはフロントの設置義務はありませんが、だからといって本人確認を怠ることだけは止めましょう。

民泊を営業する際には、必ず滞在者名簿を設置しましょう。滞在者名簿とパスポートを照らし合わせることで、その人物が本人なのか、虚偽の申告をしていないかなどを確認し、不正を防止することが出来ます。

さらに、部屋を貸し出す際には必ず対面で顔を確かめましょう。民泊業者の中には面倒なあまり、受け渡しポストでカギを渡すこともあるのですが、それは非常に危険です。

安全性を鑑みるのであれば、鍵は必ず手渡ししましょう。そうすることで確実に顔を確認することができますし、顔の見合わせを嫌うような不法滞在者を事前にシャットアウトすることができます。

不法滞在者は時に、滞在中に何度も人を入れ替えることがあります。これはホストとの対面を避けるためであり、そういった怪しい行動を取る人物はかなり高い確率で犯罪に関わっている危険があります。

そのため、対面の回数は最初の1回だけに限定せず、2日に1回のペースで顔を見合わせておきましょう。頻繁に顔を見合わせると事前に通告することで、不法滞在者の悪用を避け、安全を確保することができます。

入念に対策したにも関わらず、それでも民泊用の部屋を犯罪に使われてしまった場合のために、滞在者名簿は捨てず保管しておきましょう。そうすることでたとえ犯罪が起きても警察に協力することができますし、なにより自分は共犯ではないと潔白を証明することもできます。

ちなみに、不法滞在者は在日外国人のネットワークを駆使することで、保険証の又貸しをして身分を証明することがあります。保険証は基本的に顔写真が付いていないため、身分を偽るには最適な身分証なのでしょう。

それだけに、身分証の提示は顔写真付きのモノに限定しましょう。真っ当な外国人であればパスポートを持っていることが多いため、パスポートの提示は必ず義務づけると良いでしょう。もしもパスポートを持っていない外国人が民泊を利用したいと申し出た場合、かなり怪しいので断った方が良いかもしれません。

民泊にリスクはつきもの!安全対策を講じて不法滞在者の悪用を防止

規制が緩和されることで、ますます民泊をしやすい状況が整備されています。今後、マンションに空き室があっても、民泊用の部屋として提供することで、不動産のオーナーは収益を図ることが容易にできるでしょう。

しかし、外国人の中には不法滞在者もおり、その中には格安で生活の拠点を確保できる民泊に注目している人もいます。中には振り込め詐欺のグループのような、犯罪目的で民泊を利用する不法滞在者もいることでしょう。

そういった犯罪目的で民泊を利用されると、近隣に住んでいる人に迷惑がかかりますし、なにより部屋の所有者であるホスト側も甚大な被害を受けることでしょう。犯罪に使われるような部屋だという風聞が広がれば、今後の営業に差し支えるでしょうし、警察に痛くもない腹を探られる可能性があります。

仕事が多様化している昨今、日本には潜在的な不法滞在者が多くいることでしょう。そういった輩から部屋を守るためにも、民泊の営業を始める際にはゲストの身元は入念に確認しましょう。

安全に使用される限り、民泊は空き室を有効に活用し、利益を得られる画期的なビジネスです。

著者情報
株主優待が大好き。 桐谷さんのように優待だけで生活するのが夢。 でも不動産投資やFXにも魅力を感じている今日この頃。

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