• 不動産の「2022年問題」。生産緑地の期限が切れ市場に大量の土地が出回る!?

『生産緑地を知らないと数年後に痛い目に遭うことも。不動産価格が暴落する可能性も』

2017年10月28日

2022年に「生産緑地の期限が切れる」ことを知っていますか。
不動産投資をするうえで、2022年問題は絶対に把握しておかなければなりません。なぜなら、不動産市場に大量に土地が出回り、不動産価格が暴落する可能性もあるためです。そうならないに越したことはありませんが、近い将来の大きなリスクの1つとして捉え、計画や対策を練る必要があります。

まずは、生産緑地の内容や仕組みを理解し、政府や自治体を含め、どのような対策がとられるかをしっかりと注視していきましょう。

「2022年問題」は生産緑地の解除に関連する問題。生産緑地の内容とは?

不動産投資をするうえで、先のことを考えるのは非常に重要です。
2022年問題とも言われる生産緑地の解除に関連した問題は、不動産市場にとって非常に深刻なものです。さらなる空室率の上昇や不動産価格の下落が予想されています。

先のリスクを把握して計画を立てたり手を打つためにも、2022年問題の要因でもある生産緑地についての理解を深めていきましょう。

三大都市圏と近郊エリアを念頭に定められた生産緑地法

1974年に公布された生産緑地法は、都市部の緑地を守ることを目的とされていましたが、1992年に同法改正されました。
その主な改正内容は、市街化区域内の農地を宅地に転用する農地か、生産緑地として保全する農地に分けるものです。対象は東京、大阪、名古屋の三大都市圏とその近郊エリアの市街化区域内です。

生産緑地に指定されれば固定資産税・相続税の優遇措置!しかし、転用・転売はNG

生産緑地に指定されると、税制面など大きな優遇措置を受けられました。税制面の優遇とは「固定資産税」と「相続税」の優遇のことです。
固定資産税は宅地のおよそ200分の1程度の農地並みにまで軽減され、相続税は納税猶予が受けられます。その代わり、生産緑地に指定されると転用・転売は原則不可となります。生産緑地に指定されることで、向こう30年間は大幅な軽減税率を使えますが、純粋に農地として管理することを求められます。

生産緑地に指定されると30年経過するまでは基本的に売却は難しい

生産緑地に指定されると1992年の30年後である2022年までは原則売却することができません。
しかし、土地の所有者や従事者が病気などで農業ができなくなった場合や土地所有者が死亡して相続した人が農業をしない場合は、買取の申し出ができ生産緑地の指定を解除できます。逆にそれ以外の理由では2022年までに生産緑地指定を解除して、売却することはできません。30年が経過するまでは売却には厳しい制限が課せられます。

当時の所有者には「30年間の税制優遇」は大きなメリットしかなかった生産緑地

生産緑地は、市街化区域内の農地のなかで市町村が指定した農地のことです。
生産緑地に指定されることで「固定資産税の優遇(農地扱い)」と「相続税の優遇(納税猶予)」を30年間受けられます。その代わり、建物を建てたり、転用・転売ができなくなります。また、本来30年間ある指定を途中で解除するには、市町村に対して生産緑地の買取の申し出が必要です。

ただし、誰でも申し出できるものではなく、土地所有者・従事者が死亡したり病気になって農業をする人がいなくなった場合のみです。それ以外の場合は、30年間経過した後に市町村へ買取の申し出ができます。自治体が買い取れない場合は買い取る人を斡旋してくれ、該当者がいない場合は指定が解除されます。

生産緑地の期限が切れるのが2022年その時にどんなことが起きるのか?

生産緑地の期限が切れる2022年にはどんなことが予想され、その事象によりどんなリスクがあるのか把握をしておきましょう。
1992年に生産緑地として指定された土地面積は驚くほど広大で、2022年またはそれ以降に不動産市場に大きなインパクトを与える可能性があります。

生産緑地の期限が切れるのが2022年。管理義務が解除され売却が可能になる

生産緑地に指定され管理義務の期限が切れるのが2022年です。
それまでに先述のような条件に該当し、買取の申し出をしていなければ2022年には売却が可能になります。生産緑地が解除されることでそれまで受けていた税制面の優遇措置はなくなりますので、農業を続けない限り、多くの所有者が土地を手放す可能性があります。

所有者の多くが高齢者で継承も難しい可能性があり、多くの土地が市場に出回る

30年前に生産緑地の指定を受けた所有者の多くは高齢者です。自身で農業を続けていくことも難しく、また時代も変わり農地を継承する人も少ないことが考えられます。

そのため、期限が切れる2022年に多くの土地が市場に出回ると言われています。通常、生産緑地は、まず自治体に対して買取の申し出で行い、自治体は特別な事情がないかぎりは時価で買い取るものとされています。
しかし、これまで自治体による買取実績は予算上の問題もあり、ほとんどありません。そのため、農業を継続しない所有者はハウスメーカーやマンションデベロッパーなど民間企業や個人に買ってもらえるよう市場に売却するしか選択肢はありません。

生産緑地は首都圏エリアだけでも東京ドーム約1657個分。不動産価格が暴落する可能性

国土交通省の平成26年都市計画現況調査によると、生産緑地として登録されている面積は2014年3月末現在で約1万3653ヘクタールあり、首都圏エリアだけでも7747ヘクタールもの面積があります。7747ヘクタールとは東京ドームおよそ1657個分で、非常に広い面積の生産緑地があることがわかります。

首都圏エリアだけ見てもこれだけの広い土地が2022年に生産緑地の指定が解除され、数割が(8割とも言われる)市場に出回ることで、不動産価格の暴落を招く可能性があります。

2022年までにできる対策は?国はどのような動きを?

首都圏エリアなどを中心に非常に広大な生産緑地があり、何もしなければ2022年には不動産価格が暴落する可能性があります。
しかし、政府を中心に制度改正や対策を議論・検討しており、実際に2017年には法改正も行われました。まだまだ、抜本的な解決には至る見込みは低いですが、どのような改正が行われたのか、改正により市場はどんな見方をしているのか、現時点の様子を把握しておきましょう。

供給増による不動産価格に暴落を防ぐための制度・対策が検討

市場への土地供給が急増して不動産価格が暴落することを防ぐために、政府は対策を検討し、2017年2月には生産緑地法の改正案(改正都市緑地法)が閣議決定、施行を6月に行いました。
改正された主な内容としては、小規模の面積でも生産緑地に認定できるようになったこと。さらに、「特定生産緑地制度」の導入により、買取申し出の時期を10年先送りできるようになったことです。特定生産緑地制度は市町村長が指定し、10年毎に更新されます。

また、農産物の直売所などの設置も可能となりました。他にも、相続税の納税猶予を解除しないことを議論するなど、さまざまな制度・対策が検討されています。

継承者がいるのはわずか。期限を延長したとしても相続などで指定の解除が進む。

しかし、上記のようにさまざまな制度・対策を行ったとしても、継承者がいない土地所有者が多く、問題解決には至らないという声が多いです。不動産価格の暴落を防ぐには、2022年までの残り5年弱で、他にも多くの制度や対策が必要と言われています。

リスクがあることを忘れない!国や自治体の動向を注視しながら投資判断をしていく

既に不動産投資をしている方もこれから始める方も、生産緑地の解除による「2022年問題」は非常に悩ましいものです。法改正がなされたものの、抜本的な解決にはまだまだ至らない見通しです。個人でできる対策などは限られるため、国や自治体などの今後の対策をしっかりと注視しながら、不動産投資判断をしていく必要があります。

著者情報
オールマイティなトレーダーを目指して日々奮闘中 投資で5000万円貯める事が目標。 基本ビビりなので日々可愛い利益をコツコツ貯めています。

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