星医療酸器の株主優待と医療用ガスの先行き

2017年11月8日

医療用機器と聞くと、レントゲンやMRIなどの大型の機械を思い浮かべる人は少なくないはずです。もちろんその回答も間違いではありませんが、一般の方々が思い浮かべる以上に医療用機器の範囲は広いです。

特に医療用機器に必要なガスを供給する会社が多数存在しているのはご存知でしょうか。
医療の現場では、酸素や窒素に加え、炭酸ガスやヘリウムガスなども必要です。
今回はそのような医療用産業ガスの生産や在宅医療機器を手掛ける星医療酸器に注目します。

星医療酸器の歴史と製品

星医療酸器は1960年に星プロパンとして一般販売用の高圧ガスの販売許可を取得しました。
一般用高圧ガスとは、よく街で見かけるガスボンベに入った家庭用ガスではなく、産業用の大きなボンベに入った酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガスなどのことです。

1969年には医療用高圧ガスの販売許可を取得し、医療業界に参入しています。医療用ガスとは、一般高圧ガスと大差はないですが、酸化エチレンガスや亜酸化窒素ガスが含まれます。

1974年に現在の屋号である株式会社星医療酸器として改組しました。
2000年には株式を店頭上場し、2003年にはファルコライフサイエンスから在宅酸素事業を譲受します。
2010年にはジャスダック市場に上場を果たします。その後介護事業や有料老人ホーム事業などを手掛けています

株式会社星医療酸器の株価や配当

事業の種類:卸売業 優待の価値:7,500円(すべて利用時、100株)
優待の種類 権利確定月・日 優待回数
飲食料、宿泊優待券 9月末 3月末 年2回
株価 配当利回り 優待利回り
3,850円 1.04% 1.94%
必要投資額 単元株数 1株あたりの配当
385,000円 100株 40円

医療関係ならではの株主優待

星医療酸器の株主優待は、非常に実用性に優れている場面とそうでない場面が存在します。
まず年に1回受け取る権利が発生する銘茶に関しては、どの場面においても利用が可能です。日常生活や来客が多い方にはもってこいの株主優待であるといえます。

また「知って得する株主優待」に紹介されているところからも、株主優待の有料実施企業であることがうかがえます。
そのため株主優待で受け取れる銘茶はぜひともチェックしておきたいところです。
ちなみにこの優待は単元以上を保有の投資家には100株以上で1,500円相当の銘茶が、1,000株以上を保有する投資家は3,000円相当の銘茶を受け取ることができます。

また星医療酸器にはもう1種類の株主優待があります。
それは星医療酸器が経営をする介護付き有料老人ホームである「ライフステージ阿佐ヶ谷」の体験入居や終身契約時の前払い金の割引です。

近年では介護付き有料老人ホームを選択する人も多く、各地に駅チカなどの利便性の高い立地での介護付き有料老人ホームの建設が進んでいます。
しかし利用者にとっては、全く知らない土地に移り、知らない環境下で生活するわけですので、入居することが相当のストレスになると考えられます。

そのため星医療酸器ではこの施設への体験入居をここなっていますが、株主であれば、これが割引で利用できます。
そのため将来的には転居を考えてはいるものの、決断には至ることのできていない高齢者にとっては、自身の資産の保護と、将来への備えを同時に利用できる側面があり、非常に価値があります。
しかしその反面、若年層や全く遠い所に住んでいる投資家にとっては全く魅力のない優待となってしまいます。

ここで注目していただきたいことは、2親等以内であれば利用できるという点です。
これから親を見るという時期に入っている方々からすると、よいきっかけになるのではないでしょうか。
そのためいろいろな年齢層の方に価値を見出すこともできます。

医療介護分野において事業拡大の方針

星医療酸器は、創業からガスの生産や販売において収益を上げてきた企業ですが、現在の経営の柱は病院向けの産業用ガスの販売と在宅医療向けの介護機器販売やその他付随業務の分野です。この2本の柱が収益を支えていますが、医療業界では、近年QOLというものが声高に言われています。
つまり終末期医療において一概に施設にて管理するのではなく生活の質を保ちつつ生活を送るというものです。

星医療酸器は早くからこの問題に取り組んでいることもあり、次世代銘柄として注目を集めています。
これからの日本には、医療が必要ながらも自分が生まれ育った地で最期を迎えたいという人が増えています。

そのため介護用医療機器が研究され、今までは病院や施設でなければ受けられなかった介護サービスを在宅で提供するような環境を作り出そうとしています。
したがって、長期的な観点からは、事業拡大に伴い大きな収益とシェアが期待できます。

星医療酸器を必要とする投資家像とは

星医療酸器は健康な現役世代にとってはあまりなじみのない、必要のない銘柄かもしれません。
しかしこれから超高齢化社会を迎えるにあたり、新たな産業を生み出すことにより成長をしなければなりません。
そういった次世代の産業を目指す投資家にとっては直近で解決しなければならない社会問題に対応している星医療酸器はとても魅力的であるといえます。

企業のテーマとしての産業が社会的な問題であればなおさら解決に対しての期待値は高まり、結果として企業の株価は期待値で大きく買われることになります。
そのため次の産業への期待とは株価や投資家にとって非常に重要となります。

そのためこの銘柄をお勧めする投資家としては「次世代産業を狙いながら、しっかりとした社会問題に取り組む銘柄で、収益の基盤がしっかりしており不況に強いポートフォリオ」を組む投資家にお勧めできます。

医療業界における立ち位置と株を保有する価値

星医療酸器は、単純な値動きの銘柄としてとらえるのであればあまり魅力はありません。その反面テーマがあればかなりの価値をもたらすことができます。

医療業界は昔から人がいる限り大丈夫であるかのような扱いでしたが、実際はそうではなく、医療が直面する問題に次から次へと取り組まなくてはなりません。
そういった意味合いでは非常にポテンシャルのある企業であるといえます。

投資家としては未来の自分を想像しながら投資活動に取り組めるため、悪いことがあまりありません。
ただし産業は移り変わりが速いため、それに少しでもおいて行かれると途端に魅力をなくします。
したがって常に業界のテーマと星医療酸器が取り組む課題が一致していれば株式を保有する価値はあるといえます。